工学メーカーのトプコンは米国、ロシア、欧州連合(EU)がそれぞれ打ち上げた三方式の人工衛星から電波を受信できる全地球測位システム(GPS)受信機を世界で初めて開発した。八十以上の衛星から位置情報を受け取ることができるようになり捕捉確度を高めた。土木建設現場の整地などミリメートル単位の制御が求められる建設機械向けに年内にも発売する。 |
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同社のマシンコントロールシステムは、GPSと設計図面を解析する機器を搭載。GPSによる位置情報を設計図面と照らし合わせて整地作業のブルドーザーなどを自動制御する。測量しながら土を削っていた従来方法に比べ、工期やコストを減らせる。ただ位置情報を算出するには最低四つの衛星から電波受けなければならず、建物や森林に電波が遮られると精度が落ちたり、測位できず作業を中断せざるを得ない場合もあった。 建機用のGPSはメートル単位の自動車用に比べ格段に高い精度が要求される。トプコンは電波の捕捉率を高めるため、米国のGPS二十八基に加え、〇一年にロシアの「グロナス」衛星十四基からも電波を受信できる受信機を製品化。高確度で捕捉できる割合をGPS単独の場合に比べ約一.六倍の七九%に高めた。今回は欧州版GPSの「ガリレオ」にも対応するチップを新たに開発、搭載した。二〇一〇年にはグロナス衛星が二十四基、ガリレオ衛星も三十基まで増えるとされる。三方式に対応できることで現在のほぼ二倍の八十基以上の衛星から受信が可能になり、位置情報の捕捉確度を常時高水準に保つことが可能になる。土木測量機器の市場基本は〇八年度に約二千四百億円になると予想される。特に建機のマシンコントロールは北米を中心に拡大。トプコンは米ロ欧のの三方式対応の受信機を発売することで、〇八年度のGPS関連製品の売り上げを〇五年の約一.二倍、測量機器全体の世界シェアも二三%から二八%に高める狙いだ |
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